しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年5月2日(木)

きょうの潮流

 労働とは何か。それは「人と幸せをつなぎとめる蝶番(ちょうつがい)」。経済活動は人間の営みであり、人が不幸になってしまえば経済の名に値しない―▼今も国民を苦しめる経済政策を「アホノミクス」と批判した浜矩子(のりこ)さんが訴えています。労働は本来、生活の安定や自己実現の可能性、社会とのつながりをもたらす。そうなっていないのは野生化した今日の資本と政治の魔の手があるからだと(『人が働くのはお金のためか』)▼やりがいの搾取やフリーランス化の勧め。21世紀の搾取と疎外の本質は、低賃金でも、自分たちが労働の「自由な領域」に達しているという幻想を抱かせることにある。労働観や働き方の変遷をたどりながら、浜さんは「見えない搾取の構図を暴くことが課題」だといいます▼資本の側がもくろむ労働者の分断や孤立は深刻な状況です。そのなかで、どう団結をはかるか。雨中のメーデーは、たたかう仲間の連帯を示しました。自分たちの手で人間らしい働き方や社会に変えようと意気高く▼労働のあり方を問うテーマに浜さんが重ねたマルクスの資本論。そこには先日、志位議長が学生向けに講義した「人間の自由」が展望されています。ほんとうの「自由の領域」とはどこにあるのかと▼働く人びとが低賃金や長時間労働にあえぎ、貧困と格差が拡大し、地球の存続さえ危うくさせる資本の横暴。それを転換し、人を幸せにできる経済活動をともにつくろう。過去と現代の経済学者が、21世紀の労働者たちに呼びかけています。


pageup